猫の泌尿器疾患(FLUTD)とは?頻尿・血尿・尿が出ない原因と検査・治療・再発予防|豊橋市 オリバ犬猫病院 三ノ輪院
猫の泌尿器疾患|症状・検査・治療について獣医師が解説
こんにちは。愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院 三ノ輪院です。
猫ちゃんの「トイレの回数が増えた」「尿が少ない」「血尿が出ている」といった症状は、泌尿器疾患のサインかもしれません。
泌尿器のトラブルは、軽い膀胱炎のように見えても、急に悪化したり、尿がまったく出ない(尿道閉塞)と命に関わる状態になることがあります。
今回は、猫の泌尿器疾患について症状・原因・検査・治療・再発予防を初めての方にも分かりやすく解説します。
目次
猫の泌尿器疾患とは?
猫の泌尿器疾患とは、腎臓・尿管・膀胱・尿道などに起こる病気の総称です。
中でも多いのが、猫下部尿路疾患(FLUTD:Feline Lower Urinary Tract Disease)で、主に膀胱〜尿道のトラブルを指します。
FLUTDに含まれる代表的な病気
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特発性膀胱炎(原因が特定できない膀胱炎)
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尿石症(結石):ストルバイト結石、シュウ酸カルシウム結石など
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尿道栓子(尿道に詰まる物質)
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尿道閉塞(尿が出ない状態)
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細菌性膀胱炎
放置すると、脱水や腎臓への負担が増し、重篤化することがあるため、早期発見・早期治療がとても重要です。
猫の泌尿器疾患でよく見られる症状
以下のような症状が見られた場合は注意が必要です。
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トイレに頻繁に行くが尿量が少ない(頻尿)
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排尿時に鳴く、痛そうにする
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血尿が出る
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トイレ以外で排尿する(粗相)
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陰部をしきりになめる
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元気・食欲の低下
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嘔吐、ぐったりしている(重症化のサインの場合も)
特に危険:尿道閉塞(緊急疾患)
尿がまったく出ていない、または出そうとしているのに出ない状態は、命に関わる可能性があります。
尿道閉塞は特にオス猫で起こりやすく、短時間で状態が急変することがあります。
自宅でできる「緊急度チェック」:受診を急ぐサイン
次のいずれかが当てはまる場合は、早めに動物病院へご連絡ください。
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トイレで長く踏ん張るのに尿が出ない(または数滴しか出ない)
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何度もトイレに行くが空振りが続く
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お腹を触ると痛がる/張っている感じがある
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ぐったり、嘔吐、呼吸が荒い
「血尿があるけど元気」は一見軽く見えますが、痛みや炎症が強いこともあるため、できるだけ早めの受診がおすすめです。
猫の泌尿器疾患の主な原因
猫の泌尿器疾患は、以下の要因が複合的に関係します。
1)特発性膀胱炎
猫で非常に多いタイプです。
明確な細菌感染がなくても膀胱が炎症を起こし、血尿・頻尿・痛みが出ます。
2)尿石症(結石)
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ストルバイト結石:食事や尿pHなどの影響を受けやすい
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シュウ酸カルシウム結石:溶かす療法食が難しい場合もあり、管理方針が変わります
※結石の種類により治療と予防が異なります。
3)尿道栓子・尿道閉塞
結晶、粘液、炎症成分などが尿道に詰まり、尿が出なくなります。
特にオス猫は尿道が細く、閉塞しやすい傾向があります。
4)ストレス・環境要因
引っ越し、来客、多頭飼育、トイレの不満、生活リズムの変化などは、膀胱炎の引き金になることがあります。
5)水分摂取量の不足
ドライフード中心、飲水量が少ない、冬場の乾燥などで尿が濃くなり、結晶・結石ができやすくなります。
6)肥満・運動不足
活動量が減ると排尿回数が減り、膀胱内に尿が長く滞留しやすくなります。
検査方法(当院での一般的な流れ)
症状と状態に応じて、以下の検査を組み合わせて行います。
1)尿検査(最重要)
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尿比重(尿の濃さ)
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血尿の程度
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結晶の有無(ストルバイトなど)
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細菌感染の可能性(必要に応じて培養検査を検討)
2)画像検査
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レントゲン検査:結石の有無・大きさ・位置を確認(写りやすい石、写りにくい石があります)
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超音波検査(エコー):膀胱壁の炎症、砂状結晶、尿の貯留、腫瘍性変化などを評価
3)血液検査
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腎臓の数値(BUN/Creなど)
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脱水・炎症、全身状態の確認
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尿道閉塞が疑われる場合は、電解質異常(高カリウムなど)も重要になります
猫の泌尿器疾患の治療方法
治療は原因(膀胱炎か、結石か、閉塞か)と重症度によって変わります。
1)内科治療(膀胱炎・軽度の尿石症など)
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消炎鎮痛薬(痛み・炎症の緩和)
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膀胱粘膜保護薬
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必要に応じて抗生物質(細菌感染が疑われる場合)
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食事療法(療法食):結晶・結石のタイプに合わせて選択
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水分摂取の強化、環境調整(ストレス対策)
2)尿道閉塞の場合(緊急治療)
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尿道カテーテルによる排尿処置
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点滴治療(脱水・腎負担・電解質異常の補正)
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痛みのコントロール
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状態により入院管理が必要になります
尿道閉塞は、治療が遅れるほど危険性が増します。
「出ていないかも?」の段階で相談してください。
3)外科治療(必要な場合)
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結石摘出(膀胱切開など)
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再発を繰り返す重症例で外科的処置を検討する場合もあります
※どの治療が最適かは、検査結果と再発状況で判断します。
再発予防のために大切なこと(自宅でできる対策)
猫の泌尿器疾患は再発しやすいため、日常管理がとても重要です。
水分摂取を増やす
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新鮮な水を複数ヶ所に設置(目安:猫の数+1)
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水皿の素材や形を変える(好みが出る子もいます)
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ウェットフードやドライフードをふやかす
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自動給水器の活用も選択肢
食事療法(継続が重要)
療法食は「一時的に」ではなく、病態によっては継続が重要になります。
自己判断で通常食に戻すと再発することがあるため、切り替えは必ずご相談ください。
トイレ環境を整える
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トイレは清潔に(砂の好みも重要)
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トイレ数は猫の数+1が目安
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落ち着ける場所に設置
ストレスを減らす
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生活環境の変化を最小限に
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遊び・運動習慣を作る
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多頭飼育では休める場所を確保
定期チェック
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定期的な尿検査・健康診断
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既往歴がある子は、再発の兆候を早めに拾うことが重要です
まとめ|猫の泌尿器疾患は早期対応が重要です
猫の泌尿器疾患(FLUTD)は、初期症状が軽く見えても急激に悪化することがある病気です。
特に尿が出ない(尿道閉塞)は緊急疾患です。
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トイレ回数が増えた
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尿が少ない/血尿がある
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排尿時に痛そう
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出そうとしているのに出ない
少しでも異変を感じたら、早めに動物病院へご相談ください。
豊橋市周辺で猫の泌尿器疾患にお困りの方は、オリバ犬猫病院 三ノ輪院までお気軽にご相談ください。
診断・治療・再発予防まで丁寧にサポートいたします。大切なご家族である猫ちゃんの健康を、一緒に守っていきましょう。
