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猫の呼吸器疾患とは?くしゃみ・鼻水・咳・呼吸が苦しい原因(歯性感染症・鼻腔内腫瘍も)と検査・治療を獣医師が解説|豊橋市 オリバ犬猫病院 三ノ輪院

 

猫の呼吸器疾患とは?|症状・検査・治療について獣医師が解説

こんにちは。愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院 三ノ輪院です。

猫ちゃんの「くしゃみが続く」「鼻水が出る」「呼吸が苦しそう」といった症状でご相談を受けることが増えています。

猫の呼吸器疾患は、軽い風邪のように見えても放置すると慢性化したり、原因によっては重症化することがあります。

この記事では、猫の呼吸器疾患について 症状・原因・検査・治療のポイントを、初めての方にも分かりやすく解説します。受診の目安としてぜひ参考にしてください。

猫の呼吸器疾患で見られる主な症状

猫の呼吸器疾患では、以下のような症状がみられます。

  • くしゃみが続く

  • 鼻水(透明・白・黄色・緑色、粘り気)

  • 鼻づまり、いびきのような呼吸

  • 咳、ゼーゼー・ヒューヒューした呼吸音

  • 呼吸が速い・苦しそう

  • 口を開けて呼吸している(開口呼吸)

  • 元気・食欲の低下

  • 目やに・結膜炎を伴うこともある

  • 口臭が強い、よだれ、口の痛み(口腔トラブルが背景のことも)

※特に開口呼吸や明らかな呼吸困難は緊急性が高いため、早めの受診が必要です。

受診を急ぐサイン(呼吸は“様子見”が危険です)

次のような症状がある場合は、できるだけ早くご相談ください。

  • 口を開けて呼吸している(開口呼吸)

  • お腹を大きく動かして呼吸している(努力呼吸)

  • 舌や歯ぐきが紫っぽい

  • ぐったりして動けない、反応が鈍い

  • 安静時でも呼吸が明らかに速い

  • 咳が急に増えた/呼吸音が強い

  • 鼻血が出る、片側だけ強い鼻水が続く(鼻腔内疾患の可能性)

呼吸が苦しい状態では移動も負担になります。無理に刺激せず、静かな環境でご連絡ください。

猫の呼吸器疾患の主な原因(歯性感染症・鼻腔内腫瘍も含む)

猫の呼吸器症状の原因は「猫風邪」だけではありません。鼻・気管・肺に加えて、口の中(歯)が原因になることもあります。

① 感染症(いわゆる猫風邪)

  • 猫ヘルペスウイルス

  • 猫カリシウイルス

  • 細菌感染の併発(黄色〜緑色の鼻水、長引く症状など)

多頭飼育、保護猫、子猫で多く、治っても再発したり慢性鼻炎に移行することがあります。

② 歯周病からの歯性感染症(歯が原因で鼻症状が出る)

猫では歯周病や歯根の病変が進むと、上顎の歯の根元の感染が鼻腔へ波及し、鼻水やくしゃみの原因になることがあります(歯性鼻炎など)。

こんな特徴があると疑います

  • 片側だけ鼻水が出る(左右差)

  • 鼻水が臭い、膿っぽい

  • 口臭が強い、よだれ、口を痛がる

  • 歯肉の腫れ、歯石が多い

  • くしゃみ・鼻水が治りにくい/抗生剤で一時的に良くなるが再発する

※猫は口の痛みを隠しやすいので、「鼻症状だけ」に見えることもあります。

③ 鼻腔内疾患(慢性鼻炎・異物・ポリープなど)

  • 慢性鼻炎

  • 鼻の奥の異物(草の種など)

  • 鼻咽頭ポリープ など

「くしゃみ・鼻水が長引く」「鼻づまりが強い」場合に検討します。

④ 鼻腔内腫瘍(特に高齢猫で注意)

高齢猫では、鼻腔内腫瘍が鼻症状の原因になることがあります。

こんな症状があると要注意

  • 片側の鼻水が続く/左右差が強い

  • 鼻血が混じる

  • 鼻づまりが進行する

  • 顔の変形、目の周りの腫れ

  • 体重減少、元気食欲の低下

早期の段階ほど、評価と治療方針の選択肢が広がります。

⑤ 環境要因・刺激

  • ホコリ、ハウスダスト

  • タバコの煙、強い香り(芳香剤・アロマなど)

  • エアコンによる乾燥

  • ストレス(環境変化、来客、多頭飼育など)

⑥ 気管・肺の病気

  • 気管支炎・肺炎

  • 猫喘息(ゼーゼー、咳、呼吸困難)

  • 胸水など(呼吸困難の原因に)


検査方法(原因を見極めるために)

症状と重症度に応じて、以下を組み合わせます。

1)視診・聴診

呼吸の速さ、努力呼吸の有無、胸の音(肺音・気管支音)、鼻づまり、脱水の有無を確認します。

2)口腔内チェック(歯周病・歯性鼻炎の評価)

口臭、歯石、歯肉の腫れ、痛みの有無を確認します。

歯性感染症が疑われる場合、歯科評価(必要に応じて画像検査)を検討します。

3)レントゲン検査

  • 肺炎、気管支炎、喘息の疑い

  • 胸水や肺の異常

  • 心臓の影響が疑われる場合の評価

    に役立ちます。

4)血液検査

炎症の程度、脱水、全身状態、併発疾患の確認を行います。

5)感染症検査(必要に応じて)

PCRなどのウイルス検査や、症例に応じた評価を検討します。

6)鼻腔内の評価(長引く・片側・鼻血などの場合)

慢性化や左右差がある場合、鼻腔内疾患(歯性、腫瘍、異物など)の可能性を考え、追加検査を検討します。

※検査内容は猫ちゃんの状態に合わせて提案します。


猫の呼吸器疾患の治療方法

治療は原因と重症度で変わります。

① 内科治療(原因に応じて)

  • 抗生物質(細菌感染や二次感染が疑われる場合)

  • 抗ウイルス薬(必要に応じて)

  • 消炎剤

  • 気管支拡張や喘息のコントロール(疑われる場合)

  • ネブライザー(吸入治療)で鼻・気道のケアを行うこともあります

② 支持療法(回復を助けるケア)

  • 点滴(脱水の改善)

  • 食欲低下時の栄養管理

  • 加湿などの環境改善

  • 目や鼻の分泌物のケア

③ 歯性感染症が原因の場合

  • 口腔内の治療(歯周病・歯根病変への対応)が重要になります

  • 内服だけで一時的に良くなっても、原因が残ると再発しやすいため、状態に合わせて治療計画を立てます

④ 鼻腔内腫瘍などが疑われる場合

検査で原因を評価したうえで、状態に合わせた治療方針(緩和ケアを含む)を検討します。


自宅でできるケアと注意点

  • 室内を清潔にし、適度な湿度を保つ

  • タバコ、香りの強い製品(芳香剤・アロマ)を避ける

  • 食欲、飲水、呼吸の様子を毎日チェック

  • 鼻水や目やには、清潔なガーゼでやさしく拭く(こすらない)

  • 数日以上続く/治ったと思っても繰り返す場合は早めに再診

「少しのくしゃみだから大丈夫」と思っていても、長引く・片側だけ・鼻血が混じる場合は、歯性や腫瘍性の可能性もあるため受診をおすすめします。

まとめ|猫の呼吸器症状は原因が幅広いので早めの受診が安心です

猫の呼吸器疾患は、猫風邪のような感染症だけでなく、歯周病由来の歯性感染症や鼻腔内腫瘍など、原因が幅広いのが特徴です。

くしゃみ・鼻水・咳・呼吸の異常に気づいたら、早めにオリバ犬猫病院 三ノ輪院へご相談ください。早期発見・早期治療が猫ちゃんの負担を最小限に抑えるポイントです。