猫の乳腺腫瘍(乳がん)とは?症状・検査・治療・避妊手術での予防|豊橋市 オリバ犬猫病院 三ノ輪院
猫の乳腺腫瘍とは?|症状・検査・治療について獣医師が解説
こんにちは。愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院 三ノ輪院です。
「お腹にしこりがある」「最近できものに気づいた」
このようなご相談で見つかる病気のひとつに乳腺腫瘍があります。
猫の乳腺腫瘍は、犬に比べて悪性(乳がん)の割合が高いとされ、さらに進行が早いことが特徴です。
「小さいしこりだから様子を見よう」と思っている間に、転移が進んでしまうケースもあるため、早期発見・早期治療がとても重要です。
この記事では、初めての方にも分かりやすく
症状/検査/治療(手術・病理・抗がん剤)/予防(避妊手術)/自宅チェックまで解説します。
目次
猫の乳腺腫瘍とは(どんな病気?)
猫の乳腺腫瘍は、乳腺(おっぱいの組織)にできる腫瘍です。
特に避妊手術をしていない中高齢のメス猫で発症しやすい傾向があります。
乳腺はどこにある?
猫の乳腺は、胸〜お腹にかけて(第1乳頭付近から第4.5乳頭付近まで連なって)左右に並んであります。
そのため、以下のような特徴があります。
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しこりが複数同時に見つかることがある
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片側だけでなく、反対側にも新しいしこりが出ることがある
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触って初めて気づくケースが多い
こんな症状が見られたら注意しましょう
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お腹や胸にしこり(硬いできもの)がある
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しこりが短期間で大きくなる
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皮膚が赤い、ただれている、潰れて出血している(自壊)
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痛がって触らせない
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元気・食欲が低下する
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体重減少
要注意:緊急性が高いサイン
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しこりが潰れて出血や膿が出ている
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しこり周辺が強く腫れて痛がる
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呼吸が速い・苦しそう(転移や胸部の問題が疑われることも)
このような場合は、早めに受診をご相談ください。
乳腺腫瘍は「しこりの大きさ」がとても重要
猫の乳腺腫瘍は、しこりが小さい段階で治療できたほうが、予後が良い傾向があります。
一般的に、2cm以下で手術できると良好といった目安が語られることもあり、「できるだけ小さいうちに見つける」ことが大切です。
しこりが小さくても、悪性である可能性は否定できないため、
“小さい=安心”ではありません。
検査(診断の流れ)
乳腺腫瘍は、しこりを見つけたら「腫瘍かどうか」「転移があるか」「手術できる状態か」を段階的に確認します。
1)触診
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しこりの大きさ・数・硬さ・位置を確認
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皮膚との癒着や潰瘍化(自壊)もチェック
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近くのリンパ節の腫れを確認することもあります
2)細胞診(FNA)
細い針を刺して細胞を採取し、
腫瘍性かどうかの評価を行います。
ただし乳腺腫瘍は、細胞診だけでは確定が難しいこともあるため、最終的には病理検査が重要になります。
3)血液検査
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全身状態の把握
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麻酔リスクの評価(腎臓・肝臓・貧血など)
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手術計画を安全に立てるために行います
4)レントゲン検査(胸部)
猫の乳腺腫瘍は肺転移が問題になることが多いため、胸の画像検査は非常に重要です。
5)超音波検査(腹部)
腹腔内臓器やリンパ節などを評価し、
転移や他の病気がないかを確認します。
猫の乳腺腫瘍・乳がんの治療方法
基本は外科手術(第一選択)
猫の乳腺腫瘍は、内服だけで治すのは難しく、治療の中心は外科手術による切除です。
手術の考え方
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しこりだけでなく、乳腺を広い範囲で切除することが多い
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状態により
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片側乳腺全摘
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部分乳腺全摘(体への負担を考え、段階的に行うことも)
を検討します
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どこまで切除するのが最適かは、しこりの位置・数・大きさ・画像検査結果で判断します。
術後に重要な「病理検査」と追加治療
1)病理検査(確定診断)
切除した腫瘍を専門機関で詳しく調べ、
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良性か悪性か
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悪性度(性質の強さ)
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切除が十分か(取り切れているかの評価)
などを確認します。
2)抗がん剤治療(必要に応じて)
悪性度が高い場合や転移リスクが高い場合には、状態に合わせて抗がん剤治療を併用することがあります。
抗がん剤の適応は「病理結果」「転移の有無」「体調」を踏まえて個別に検討します。
3)再発・転移チェック
猫の乳腺腫瘍は再発や転移のリスクがあるため、
術後も定期的な診察と画像検査で経過を追うことが大切です。
猫の乳腺腫瘍は予防できる?(最大のポイント)
早期の避妊手術が最大の予防策
猫の乳腺腫瘍は、早い時期の避妊手術で発症リスクが下がるとされています。
一般的には、若齢での避妊ほど予防効果が高いと考えられています。
「避妊するか迷っている」「もう成猫だけど今からでも遅い?」など、状況によって最適解は変わるため、猫ちゃんの年齢・体調・生活環境に合わせてご相談ください。
すでに避妊していない成猫の場合
予防効果の話とは別に、成猫では
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定期健診
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日頃の触診(スキンシップ)
が、早期発見に直結します。
自宅でできるチェック:しこりに早く気づくコツ
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抱っこやブラッシングの時に、胸〜お腹をやさしく触る
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片側だけでなく左右をチェックする
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「米粒〜小豆サイズ」でも気になったら記録(場所・大きさ・硬さ)
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1〜2週間で大きくなる、赤い、潰れる場合は早めに受診
「これって脂肪?しこり?」と迷う段階で相談する方が、結果的に負担が少ないことが多いです。
まとめ|しこりに気づいたら早めの受診を
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猫の乳腺腫瘍は悪性率が高く進行が早い傾向
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小さなしこりでも放置は危険
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早期発見・早期手術が予後を大きく左右
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日頃からお腹周りを触る習慣が、早期発見につながる
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予防としては、状況に応じた避妊手術の検討も重要
「これってしこりかも?」と感じたら、早めにオリバ犬猫病院 三ノ輪院へご相談ください。
早期発見・早期治療が、愛猫の命を守る第一歩です。
