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スコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症とは?「スコ座り」の原因、症状・検査・治療を獣医師が解説|豊橋市 オリバ犬猫病院 三ノ輪院

スコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症とは?|症状・原因・検査・治療を獣医師が解説

こんにちは。愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院 三ノ輪院です。

今回は、猫ちゃん、とくにスコティッシュフォールドに多い遺伝性疾患「骨軟骨異形成症(こつなんこついけいせいしょう)」について、症状や原因、当院での検査・治療方針をわかりやすく解説します。

「スコ座りって可愛いよね」

「うちの子、あまり動かないけどおっとりしてるだけかも」

そう思っている飼い主さまにこそ、ぜひ知っていただきたい内容です。

「スコ座り」は“ただの癖”とは限りません

スコティッシュフォールドといえば、人のように座る「スコ座り」が有名です。

しかし、この座り方は場合によっては

  • 関節が痛い

  • 関節が曲げにくい

  • 楽な姿勢が限られている

といった理由で起こっている可能性があります。

特に、折れ耳(耳が折れている)のスコティッシュフォールドは、耳の形に関わる遺伝子が軟骨の異常にも関与するため、骨軟骨異形成症のリスクが高いことが知られています。

見た目の可愛さの裏で、関節に負担がかかりやすい体質を持つ子がいる、という点が大切です。

骨軟骨異形成症は「1歳未満」でも発症することがあります

この病気は高齢になってからだけでなく、子猫のうちから症状が始まることもあります。

生後半年〜1歳未満で、痛みや骨の変形が進み始めるケースもあります。

「寝てばかりで大人しい」

「高いところに登らない」

「遊びに乗ってこない」

といった様子が、性格ではなく痛みのサインであることもあるのです。

こんな症状があれば要注意(チェックリスト)

進行すると、次のような症状が見られることがあります。

  • 足先や足首(飛節)、指の関節が腫れている

  • 歩き方がおかしい(引きずる、スキップする、ぎこちない)

  • 抱っこを嫌がる/触られるのを嫌がる

  • 寝てばかりいる、動きたがらない

  • スコ座りが頻繁に見られる

  • 爪とぎをあまりしない

  • 爪が伸びすぎて肉球に刺さったことがある(動きが減っているサイン)

これらは「癖」「性格」の一言で片付けず、関節の痛みを疑う材料になります。

原因:なぜ骨や関節が変形するの?

骨軟骨異形成症は、軟骨の成長や構造に異常が起きやすい体質により、関節に負担が蓄積し、

  • 関節の炎症

  • 骨の変形

  • 関節の可動域低下

  • 慢性的な痛み

が起こりやすくなる病気です。

症状の重さには個体差があり、軽度で安定している子もいれば、若齢から進行する子もいます。

検査方法

症状や触診所見から疑われる場合、状態に応じて以下を組み合わせて評価します。

1)身体検査・歩行観察

  • どの関節が痛いか

  • 腫れや熱感があるか

  • 動きのクセ(跳ねる、かばう、左右差)

    を確認します。

2)レントゲン検査(重要)

骨軟骨異形成症では、レントゲンで

  • 関節周囲の骨の変形

  • 腫れや骨の増生

  • 関節の不整

    などが確認できることがあります。

    症状の原因が本当に関節由来か、他の病気が隠れていないかの判断にも役立ちます。

※猫ちゃんの負担を最小限にするため、必要に応じて鎮静を検討します。

治療は「早ければ早いほど」QOLを守りやすい

骨軟骨異形成症は残念ながら完治が難しい病気ですが、早期から適切に痛みをコントロールすることで、生活の質(QOL)を保ちながら過ごせる可能性が高まります。

当院では、猫ちゃんの年齢・症状・生活環境に合わせて治療を組み立てます。

① 痛みのコントロール(内科治療)

  • 鎮痛剤(炎症や痛みを抑える治療)

  • 状態により注射タイプの疼痛管理薬の提案

  • 必要に応じて補助的な薬(胃腸保護など)

※薬の選択は体調や併発疾患(腎臓・肝臓など)により変わります。

② サプリメント・栄養面のサポート

  • 関節サポート系サプリ

  • 体重管理(関節への負担を減らす)

③ 物理療法・生活環境の調整(とても大切)

  • 滑りにくい床(マット)にする

  • 段差を減らす(ステップ設置)

  • トイレの出入りを楽にする(低い入口のトイレ)

  • 爪切り頻度を上げる(動きが減ると伸びやすい)

④ 追加治療の検討(重症例・難治例)

症状や進行度により、より専門的な治療選択肢を検討することがあります(適応は症例により異なります)。

自宅で気づける「痛みのサイン」

猫は痛みを隠す動物です。以下の変化は重要なサインです。

  • ジャンプしなくなった/高いところに行かない

  • 遊びへの反応が落ちた

  • グルーミングが減って毛並みが悪い

  • 触られるのを嫌がる

  • トイレの失敗が増えた(入りにくい)

  • 寝ている時間が増えた

「スコ座り」だけでは判断できませんが、複数当てはまるなら早めの相談が安心です。

まとめ:可愛いポーズの裏に「痛み」が隠れていることがあります

スコティッシュフォールドの“スコ座り”は、見た目には可愛いポーズかもしれません。

でもその裏には、関節の痛みが隠れていることがあります。

  • なんとなく元気がない

  • 最近動かなくなった

  • 抱っこすると嫌がる

  • 足が腫れている、歩き方が変

そんなときは「性格」ではなく、体の痛みのサインかもしれません。

大切なご家族の異変に気づいたときは、どうか迷わずオリバ犬猫病院 三ノ輪院へご相談ください。私たちがしっかりサポートいたします。