犬の大腿骨頭壊死症(レッグ・カルベ・ペルテス病)とは?症状・原因・診断(レントゲン)と治療(手術/内科)を獣医師が解説|豊橋市 オリバ犬猫病院 三ノ輪院
犬の大腿骨頭壊死症|症状・原因・検査・治療について獣医師が解説
こんにちは。愛知県豊橋市のオリバ犬猫病院 三ノ輪院です。
今回は、成長期の小型犬で見られることが多い整形外科疾患、「大腿骨頭壊死症」について、症状・原因・当院での検査と治療を分かりやすく解説します。
「急に後ろ足を上げて歩く」「ぴょんぴょん跳ねるように歩く」「歩くとキャンと鳴く」
このような症状がある場合、股関節の病気が隠れていることがあります。ぜひ参考にしてください。
目次
大腿骨頭壊死症とは?(別名:レッグ・カルベ・ペルテス病)
大腿骨頭壊死症は、股関節を作る骨の一部である大腿骨頭へつながる血管がうまく働かず、血液供給が不足することで骨が壊死(えし)・変形してしまう病気です。
一般的には 「レッグ・カルベ・ペルテス病(Legg-Calvé-Perthes)」 と呼ばれることもあります。
原因は?
血行障害や遺伝的要因が疑われていますが、はっきりした原因はまだ解明されていません。
放置するとどうなる?
進行すると股関節の痛みが強くなり、骨の変形が進むことで日常生活が大きく制限されます。
また、壊死した骨がもろくなり、負担がかかって骨折につながるケースもあるため、早期対応が重要です。
大腿骨頭壊死症の症状(こんな歩き方は要注意)
大腿骨頭壊死症は、成長期の小型犬で発症率が高い病気です。
特に生後約4ヶ月〜11ヶ月頃に多く見られます。
よく見られる症状
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後ろ足の片方を上げて3本足で歩く
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ぴょんぴょん跳ねるような歩き方(うさぎ跳びのように見えることも)
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歩く時にキャンッと鳴く(痛み)
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散歩を嫌がる/歩きたがらない
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休みたがる、座っていることが増える
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股関節を触られるのを嫌がる
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症状が進むと太ももの筋肉が細くなる(筋肉量の低下)
「成長期だから」「一時的にひねっただけ」と思って様子を見ている間に、進行してしまうこともあります。
似た症状の病気(鑑別が大切です)
後ろ足の跛行(びっこ)には、ほかにも
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膝蓋骨脱臼(パテラ)
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股関節形成不全
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外傷(捻挫、打撲)
などが関係していることがあります。
そのため、歩き方だけで判断せず、検査で原因を特定することが大切です。
大腿骨頭壊死症の診断(当院で行う検査)
1)歩行・触診(跛行検査)
実際の歩き方を確認し、痛みの出方や負荷のかかり方を評価します。
股関節の可動域や痛みの反応もチェックします。
2)レントゲン検査
大腿骨頭が
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変形していないか
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潰れていないか
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脱臼していないか
を画像で評価し、診断します。
大腿骨頭壊死症の診断において、レントゲンは非常に重要です。
※症状の時期によっては初期変化が分かりにくいこともあるため、経過や症状に応じて再評価が必要な場合もあります。
治療方針(内科/外科)
大腿骨頭壊死症は進行性の病気です。
治療は、痛みの程度・レントゲン所見・日常生活への影響を総合して決めます。
① 内科治療(軽度の場合)
症状が軽度で、内服の痛み止めで日常生活が保てる場合は、内科治療を選択することがあります。
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消炎鎮痛薬(痛み止め)
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運動制限(悪化防止)
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体重管理
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必要に応じてリハビリや生活環境の調整
ただし、骨の異常が画像で確認できる場合、進行して最終的に手術が必要になるケースが多い点は重要です。
② 外科治療(進行例/痛みが強い場合)
進行している場合や痛みが強い場合は、大腿骨頭切除術(大腿骨頭=太ももの骨の付け根を切除する手術)を行います。
骨の変形部分を取り除くことで、強い痛みを改善し、生活の質(QOL)を回復させることを目指します。
大腿骨頭壊死症は早期治療が大切です
大腿骨頭壊死症は進行すると、痛みが強くなり、生活に大きな支障が出ます。
しかし、早期発見・早期治療によって、進行を抑え、回復の選択肢を広げることができます。
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歩くとキャンと鳴く
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片足を上げて歩く
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うさぎのようにぴょんぴょん歩く
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散歩を嫌がる
このような変化に気づいたら、様子見をせず、早めに一度ご来院ください。
まとめ|成長期の小型犬の跛行は早めに検査を
犬の大腿骨頭壊死症(レッグ・カルベ・ペルテス病)は、成長期の小型犬に多い股関節の病気です。
早期に適切な診断を行い、内科・外科を含めた治療を選択することで、痛みを抑えながら生活の質を保つことができます。
